転職を機に、夜勤専門で働くという非常勤の看護師もいます。一般的には2交代、3交代が看護師の勤務形態の常ではありますが、自分、または家族の急な体調の変化や休みなどへの対応として、代替えの勤務が必要な場合などに活躍している方も含まれますし、常に夜勤だけを引き受ける看護師もいます。2012年度に行われた夜勤実態調査を含め、看護師の交代勤務のあり方や、夜勤そのものについて考える必要があるのではないでしょうか。事実、夜勤を避けてクリニックへの勤務を希望する看護師も少なくない昨今、見直すべきことが多く含まれているのではと考えます。
「2交代」のうち16時間以上の長時間夜勤は約5割で昨年(約6割)より減少。「2交代」病棟は28%に増加。
勤務間隔「12時間以下」75%(昨年80%)。
看護師確保法・基本指針に抵触する夜勤「月9日以上(月4.5回以上)」は、3交替25%、2交替31%と2交替が多い。
「50床あたりの看護職員数」、「3交替」「2交替」とも約30人で拮抗。
2012年6月の勤務実績(440施設・3093職場・看護職員数100831人・看護要因15387人分の調査結果
出典 医療労働 2012 臨時増刊 2012年度 夜勤実態調査 -報告編ーより
今現在も3交替ではなく、2交替勤務の病院も多く、実際に法に抵触しそうな勤務形態が残っている様子が伺えます。夜勤の大変さや交代勤務であってもその負担は大きく、精神的、肉体的な疲労の大きさもわかります。だからこそ夜勤のみで勤めてくれる看護師の存在は大きく、昼夜逆転の生活になってもそこに看護師として働くことを決めている人材は、貴重でありそれぞれの病院が一定数の確保を目指すものなのではないでしょうか。日中の仕事を通して患者とのコミュニケ―ションも必要と言われるかもしれませんが、医師との連携を密に取ることで、患者の状態の把握に勤めることは可能なのでしょう。
病院の環境改善に関して、夜勤のあり方は長く議論されている問題であり、未だ解決を見ないものではありますが、病院の運営方法としてしっかりと検討し、働きやすさを見つめ直し、看護師が夜勤を厭わずに済む環境整備が求められ、それに合わせて整備が進み始めていると言える状況になって来ました。実態調査などを活用しながら、医師、看護師の就職先として選ばれる病院が増えていくと、そこに入院している患者も安心して治療に専念出来ます。患者が安らげる病院を運営するには欠かせない存在の看護師が、夜勤を避けずに勤務出来る状態になるには、看護師の育成と環境整備を同時に行い、前向きに勤務出来る体制を整えることが最重要事項と言えるのではないでしょうか。後は、夜勤の際の人員配置を増やし、個人へのストレスの軽減や仮眠、休憩時間の確保など、長年言われている現場の問題をどう解決していくかが夜勤の意識改革に繋がるのではないでしょうか。夜勤専従の看護師の仕事として成り立っている以上は必要とされる存在です。今後もどう確保していくのか、課題は明確にしてクリアにしていく必要があるのではないでしょうか。